「読書が好き」と言えるようになったのは、つい最近のこと。
40歳手前になってやっと読書の楽しさに気づきました。ここまで長かった…。
今回は、そんな私の読書遍歴を勝手に振り返ります。
ちびくろサンボ
子供のころ好きだった絵本は「ちびくろサンボ」。
人種問題で廃版になったって聞いてたけど、復刊されてるんですって。実家にあるか聞いてみよ。
でもこれ以降、本との良い思い出があまりありません。
中学受験で読書が義務に
中学受験のために、就寝前の読書時間が設けられました。これが苦痛で苦痛で。
苦痛がゆえに、全体をざっと読んでストーリーを把握する力はついた気がします。
こまったさんシリーズだけは読めたけど、話数が多くて怖気づいて、気に入った話だけ何回も読んでたな。
夏休みに、課題図書を買いに連れていかれる本屋の絶望感ったらなかった。
冷房の効いた書店、紙の匂い、平積みされた課題図書エリアは、チクッと心を刺す思い出としてセットで記憶されています。
ジャンプとゲーム、インターネット
中学・高校は、ジャンプ漫画の単行本、ゲーム、そしてインターネット。YOU GOT MAIL!
インターネット最高!HP作ったり、gifアニ作ったり、BBSにカキコしたり、なんでもできる万能感がめちゃくちゃ楽しかった。ADSL最高!読書などせず、インターネットを思う存分楽しんでいました。そのおかげで苦手意識なくネットの海に漂えるようになったよ、親に感謝。
ひきつづき読書習慣はありませんが、出口汪先生の参考書がきっかけで現代文は得意になりました。漢文が楽しくて白文に戻すという謎の遊びもしてました。きしょい話として今でも仲間内の笑い話になっています。でも、読書はしませんでした。
読書家への憧れとコンプレックス
大学に入ると、話がおもしろい友人はみんな読書家でした。文庫本持ち歩いてるのカッコイイなと思っていました。
「本読んだ方がいいんだろうな~」と思いつつ、インターネットが楽しいから別によかった。
学生時代に読んだ本で、印象に残っているのは荻原 浩の2冊だけ。逆にそれしか印象なし。
噂(新潮文庫) ←最後の1行がすごい
ゼミで吉本隆明を読んで、咀嚼しきれなかったことを覚えています。
ビジネスマッチョに殴られる
社会人になってからは、ビジネス書、自己啓発書を読むようになりました。あるあるです。
マッチョな考え方に触れるたびに凹む。無理、無理無理。圧がすごい。本持ってるだけで、HPもMPもちょっとずつ削られる。呪いの書かよ。
圧すごいんだけど、書いてあること大体同じだなと気づく。だけど、ブラック企業戦士だった私は、安心材料としてちょいちょい読んでました。読んでる自分えらいと思ってた。でも、身にならないの。これも義務の読書だった。読めば読むほど頭でっかちになっていく感覚が心地悪かった。
一方で、同期にすすめられた和田竜の歴史小説がすごく面白くて、どんどん読み進められる自分に驚いたりもした。
日本史が好きだったから、歴史小説や時代小説は自分に合うジャンルだったようです。
でも当時はそこまで気づかず、「読書好きが薦める本は間違いないなーソムリエかよーすごいな」と思っただけ。読書にアンテナが立ってなかったんですね。
後になって「あ、私は歴史小説が好きなんだ」と気づくことになるんですが、それはまだ先の話。
読み聞かせは笑わせるために
いつの間にか親となり、子供には本好きになってほしい!という勝手な願いを持ちつつも、読み聞かせはゲラゲラ笑わせる方が楽しかったので、そちらを採択。きっと日中、保育園や幼稚園の先生が読んでくれるだろうと思い、笑わせる目的で読むことを続けました。
そのおかげか、本は楽しいものと認識してくれたようで、今のところ功を奏したようです。
兄弟で好みの本や読み方が違うので、気質はあるんだろうなと思っています。
転機となった小説
私はフリーランスとして一人で仕事をしているのですが、コロナ禍を経て人と話すのがどんどん苦手になっていきました。語彙、語彙がない、これはまずい、本を読もうと思い立ちました。
でも、何を読めばいい?会話術のノウハウ本?言語化の本?いや、私はそれで散々失敗してきたので、「働く女性が主人公で元気が出る本」ないかと探しました。
ネットで検索をかけてヒットした 玉岡かおるさんの「お家さん」を手にとってみたところ、めちゃくちゃ面白かった。上下巻だけど、ページをめくる手が止まらなかった。
大正から昭和の初め、日本一の年商でその名を世界に知らしめた鈴木商店。神戸の小さな洋糖輸入商から始まり、樟脳や繊維などの日用品、そして国の命である米や鉄鋼にいたるまで、何もかもを扱う巨大商社へ急成長した鈴木──そのトップには、「お家さん」と呼ばれる一人の女が君臨した。日本近代の黎明期に、企業戦士として生きた男たちと、彼らを支えた伝説の女の感動大河小説。
あらすじを読んでどんな女傑が出てくるかと思ったら、お家さん(鈴木ヨネさん)は人間味溢れる肝の据わったかっこいいお母さん。口癖は、「べっちょない(別状ない)」。
さらに、この鈴木商店は、今や誰もが聞いたことがある数々の大企業の前進となる会社。神戸製鋼、テイジン、双日、サッポロビール、ニップンetc…そんな会社を一人の女性が舵を切る。くぅ~かっこいい!
女性として、母として、ドンと構えて、家を会社を大きく育てていく。
男性社会特有の競争ではなく、人間への愛が基礎にある安心感、信頼感。
どんなビジネス書よりも、そんな自己啓発書よりも、心に響きました。読んだ後、「私は〇〇を大事にして生きていきたい」「個人の成功よりも家の成功の方が実現したいな」「そのためにはこういった行動をした方がいいな」と自然と思えて、行動も変わっていきました。
読書の面白さってこういうことかと、やっと腑に落ちた経験でした。
なるほど、読書っておもしろい
お家さんの衝撃から数年、私の読書は飽きることなく続いています。
初めて文芸誌を手にとったり、興味の幅は順調に拡がっています。
今まで響かなかったビジネス書も「この人はこう考えるのね」「こういう見方もあるのね」と視野を広げる読み方ができるようになったと思う。
読んだことを忘れるのがもったいなくて、読書ノートもつけています。これも楽しい。
あと、語彙が増えた。本を読む前より、格段に喋りやすくなっている。
40歳手前でやっとスタートラインに立った私ですが、これからの読書が楽しみです。
読書には、人それぞれのタイミングがあるんだと思います。
本読んでみたいなと思うあなた、遅くないです。ぜひ、一緒に読みましょう。


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